因美線〜津山線〜伯備線2010年10月16日 22:44

これしかないと言うようなタイミングでの乗り継ぎ。実際、因美線で津山まで行こうと思うと12時51分まで待たねばならない。これしかない。
地元の方と見受ける数人と、鉄臭を発散させた人数人を乗せて定刻8時21分に動き出す。ここから先しばらく1キロ進んで20メートル上るという勾配を登っていく。山間部に入っていくと両側から延びた小枝が車体にカラカラと当たる。まさに分け入っていると言う感じだ。よくもまあこんな所に鉄道をと感心しきり。
山中でほとんど止まりそうな速度になった。どうしたかと外を注視していると、制限速度30kmの標識が出ていた。しかも雨天は15km。今日は雨は降っていないが昨夜に降ったせいか15km制限になっているようだ。それほど険しいところを走っている。
長いトンネルをゆっくりと抜けると岡山県に入る。地元の方々は一人二人と減っていき、車内は益々鉄分が濃くなる。
知和駅
岡山側は坂を下っていくが速度はさほど上がらないまま、味わい深い木造駅のある駅に一つずつ停まっていく。「知和駅」は秘境駅と呼ばれているが。以前に車で訪れた時にはさほど秘境感はなかったんだが、こうして路線を辿ってくるとまさに秘境を行く鉄道と言っても良い。
津山
約1時間で津山に到着。津山駅は岡山県内でも主要な駅で、姫新線、津山線、因美線が乗り入れている。ここもかつては各方面への長編成急行などが行き交っていたが、いまは只、不釣り合いに長大なホームがその名残を残すのみ。奥の方には珍しい扇形車庫が見える。
しかし、これから乗る津山線ホームには多くの人が到着を待っている。今日初めて多人数を見た。さすが岡山へ行く需要はかなりなものである。遊びに行くと思われる若者も多い。会話の端々に新幹線の乗り継ぎの話題が聞こえてくるのは旅行者であろうか。
ホームに入ってきた列車は津山停まりで、折り返し9時49分発岡山行きになる。そこそこ満席になるので、通勤電車のごとくロングシートに座る。なんとなく旅情感は薄れ、車速も因美線とは比べものにならない速さで岡山へと向かう。時刻表によるとこれは「快速ことぶき」と表してある。岡山まで満席のまま10時59分着。
岡山駅はさすが新幹線も止まる駅で、駅ビルにはデパートも併設されていて賑わいは都会並み。山の中からとことこ列車で来たのがうそのようである。
11時14分の伯備線新見行きに乗る。伯備線は倉敷が起点であるが、倉敷始発はない。伯備線は乗り慣れた路線なので特に珍しさも無い。本日2番目に長い区間を乗るがほとんど寝ていた。
12時43分新見着。4分の待ち合わせで12時47分発の芸備線三次行きに乗れる。ここからまた秘境に突入だ。