三江線〜福塩線・芸備線2010年12月12日 23:37

10数年ぶりに「青春18切符」を購入してみました。有効期間は12月10日〜1月10日でこの間に5回(5日)まで使えます。早速12/11と12日に利用することにしました。
ローカル線だらけの中国地方ですが、その中でもかなりな渋さの三江(さんこう)線に乗ってみようと思います。三江線は島根県の江津(ごうつ)と広島県の三次(みよし)を結ぶ路線ですが、江津発は日に5本。そのうち三次へ直通するダイヤは日に2本しかありません。今回はその直通する15:08江津発に乗ります。
米子駅
まず米子を12:46発の快速アクアライナーで江津を目指します。格好いい名前が付いてますが普通の気動車です。旅行客らしき人もちらほら乗ってましたが、松江でほとんどおりてしまい、入れ替わりに沢山の学生が乗ってきました。ほぼそのままの状態で江津に15:04着。学生達はまだ先までいくようでした。
三江線に乗り換えます。1両編成のワンマンカー、もうすっかりお馴染みのキハ120と言う小さな車両です。乗客6割ほどで出発。ウラ寂しい駅に停まっていきますが乗ってくる人はおらず、一人二人と乗客は降りていきます。1時間も走らないうちに6人になりました。どう見ても鉄オタばかりです。こんな状況じゃ普段はどんな状態なんでしょうね。
キハ120車内
ほぼ東へ向かっていた線路は因原駅あたりから一旦北へ進路を変えます。江の川の流れに沿った経路になっています。16:52浜原駅に着きますがここで8分停車します。単線なので行き違いの待ち合わせかと思いましたが対向車はすでに入線していました。時刻表を見るとその列車はこの駅始発でした。三江線が全通するまではここが終点でしたが今もまだここで運転区間が別れています。運転手さんも暫し休憩されていました。出発からすでに2時間経ってますが実はまだ50kmほどしか進んでいません。
浜原駅
浜原から口羽駅間は三江線の中では比較的新しく出来た区間です。トンネルと高架の高規格路線になり、のんびり走っていた気動車は一気に速度を上げます。途中に宇津井という駅があります。地上20mにある駅としてちょっと話題にもなりました。
口羽駅でまた15分停まってから先はまたのんびり走行になり、108kmを3時間40分も掛けて18:51三次に着きました。結局乗っていたのはその6人だけでした。
三次駅は真っ暗
もう少し足を延ばして福塩線で福山まで行くことにしますが、待ち合わせに1時間半ほどありますので一旦出て夕飯とします。
福塩線は塩町〜福山を結んでいて塩町駅は三次駅から3駅先ですが全て三次発のダイヤになっています。ここも渋い方のダイヤで1日8本です。20:24三次発に乗ります。三江線に乗っていた人が私以外に2人いました。考えることは同じですか。まあローカル線ですから乗る列車は限られてますからね。
福山駅へ直通するダイヤは無く全て途中の府中止まりです。府中駅での乗り継ぎは良く、府中〜福山間は電化されていてダイヤも多いです。
23:01福山駅に到着。駅近くのビジネスホテルを予約していたのでここで1泊です。

翌日、福山駅7:16発にのるつもりですが、ホテルの朝食は6:30からとのことだったので6時に起きて身支度し、駅までは5分とかかりませんのでゆっくり朝食をいただきました。このホテルの朝食はかなりレベルが高かったです。ちょっと得した気分で出かけます。
福山駅は新幹線停まる近代的な駅です。山陽本線で広島へ向かいます。多くの人が乗り降りしながら2時間弱で広島駅到着。ここで可部線に乗り換えます。
可部線車両
可部線はかつては観光地の三段峡まで伸びていましたが、可部〜三段峡間は廃止になっています。というとローカルな感じがしますが、実際は都市近郊交通として利用客は多いようです。日曜日の朝でしたが各駅で乗客の乗り降りがあり賑やかでした。終点可部駅に10:06着、3分で折り返してこれまた沢山の乗客をのせながら広島へ戻ります。
広島から芸備線でまた三次へ向かおうと思います。広島駅で弁当を調達して芸備線ホームへ行きます。芸備線もローカル線なのでまたワンマンカーを想像していたんですが、意外にも4両編成の電車が待っていました。ただ、乗客はまばらです。
広島駅弁当
11:00広島発。ぽかぽか陽気になってきました。ガラガラのボックスシートで先ほど調達した弁当を食します。12:38に三次駅到着。芸備線は広島と新見を結んでいますが、直通するダイヤはありません。まず三次で備後落合行きに乗り換えです。
芸備線車両
ここからはまたローカルムード満点な路線になります。12:44三次発のワンマンカーは中国山地に入り込んでいきます。終着の備後落合駅は10月にも来ましたね。駅には雪が少し積もっています。
新見行きに乗り換えます。木次線からの乗り換え客が多く、新見行きはほぼ満席状態となりました。驚いたことに昨日三江線と福塩線に乗っていた人がまた同乗していましたが、満席状態の中、ボックスシート独り占めと言う暴挙。鉄道ファンが冷たい目で見られる一因です。
伯備線車両
新見で40分の待ち時間があるので駅前の喫茶店で休憩後、16:24発の伯備線で米子へ18:22に戻りました。2日間の乗車距離は705.8kmでした。

12月12日現在
2010/12/12現在

姫新線と赤穂線2010年11月21日 23:13

岡山県内乗り放題の切符、正式には「秋の岡山県内お出かけパス」の販売期間がもうすぐ終わるのでその前に利用しておきます。販売している駅は岡山県内、しかも買った当日は使えないので先週のうちに津山駅まで行って買っておきました。1枚1000円です。
岡山県内で乗ってない路線をこの際潰しておこうという寸法です。
新見駅
例によってスタート地点とする新見駅まで早朝のうちに車で行き7:16発の姫新線津山行きに乗ります。姫新線は読んで字のごとく姫路と新見を結ぶローカル線です。しかし直通運転している列車はありません。新見〜津山、津山〜佐用、佐用〜新見と言う具合に分断されています。
新見駅に入線してきた車両は意外にも2両編成。でも乗客は数人で、目の据わったマニア風な人がちらほら。と言うのも今日は津山駅で引退車両のイベントがあるようです。
津山駅構内

中国山地の中を1時間45分走って津山駅に到着。佐用行きの待ち合わせ時間は1時間以上ありますので途中下車して駅前を散策してみます。まだ9時前なので店舗はみんな閉まってます。適当に河原などを歩いてから駅前に戻り、茶店で時間つぶしました。
10:39の佐用行きに乗ります。ここからはローカル線お馴染みの小さなワンマン車両になります。お出かけパスの有効圏内は途中の美作土居駅までですので、そこから先は別途乗車券が必要です。
津山〜佐用間は1日に11本走ってますが、そのうち佐用まで行くのは7本、しかもなぜか第2土曜日は3本が運休になると言う閑散ダイヤです。でも乗客はそこそこいます。若い女の子達がワイワイ乗ってきました。30分ほど走った先の林野駅でその女の子達と乗客ほとんどが降りてしまいました。ここに何があるんでしょうか。入れ替わりに年配の集団が乗って来られてまた賑やかになりました。
佐用でほぼ全員が姫路行きに乗り換えて12:42姫路に到着しました。姫路駅は綺麗な高架に整備されていて、姫新線のディーゼルカーは申し訳なさそうにぽつんと停まります。
姫路駅

24分の待ち合わせがあるので姫路駅名物「えきそば」で昼食。味は和そばだけど麺は中華という変わった物でした。
13:06発播州赤穂行きに乗ります。相生までは山陽本線を走りますが、快速電車はさすが乗り心地が快適です。赤穂線に分岐すると単線のローカル線になりますが、あっと言う間に播州赤穂駅に到着。岡山行きに1分の乗り継ぎ。赤穂線は路線図で見ると瀬戸内縁を走っているように書いてありますが、海は見えません。寒河駅からがまたお出かけパスの圏内です。寒河は「そうご」と読みます。となりの日生は「ひなせ」です。難しい読み方です。
日生駅

15:02岡山に着きました。15:19発の新見行きにのって戻って来ました。

2010/11/21現在

岡山1日乗り放題2010年10月23日 21:32

JR西日本から「秋の岡山県内おでかけパス」と言うフリー切符が販売されているのでこれを利用して少し乗り潰しておこうと思います。
岡山県は中国地方の中では路線が多い方ですが、県内だけで完結させようと思うと限られます。今回は吉備線と宇野線に乗ってみました。
まず吉備線に向かいますが切符は岡山県内のみ有効ですので伯備線の新見駅までは車で行きました。駅前の駐車場に停めて伯備線普通電車に乗り、総社駅で降ります。
吉備線は伯備線の総社駅と岡山駅を結ぶ地方路線です。非電化単線で気動車で運用されていますが、乗った時は総社から岡山まで満員でした。
岡山についたら宇野線に乗り換えます。宇野線はかつては宇野港への連絡路線として賑わっていました。現在は瀬戸大橋への取付路線になり、途中の茶屋町駅から宇野駅までは本線から外れた盲腸線となってしまいました。
岡山から瀬戸大橋へ向かう列車は頻繁にあります。沢山の観光客をのせてマリンライナーと名付けられた電車は15分ほどで茶町駅に着きます。ここで宇野行きに乗り換えると、ぐっとローカル色な路線になります。約30分で終点宇野駅。近所で昼食にラーメンを食してから折り返します。
宇野駅
また茶屋町で乗り換えですが、岡山とは反対の瀬戸内海側に向かってもう数駅行き、児島駅でおります。ここまでが岡山県内でありJR西日本とJR四国の境界になります。
児島駅
四国側から来た電車に乗り換えて岡山経由で新見駅へと戻りました。

2010/10/23現在の乗り潰し図

芸備線〜木次線2010年10月22日 21:28

新見を出た1両編成のワンマンディーゼルカーはしばらく伯備線を行く。最初に停まる布原駅は伯備線の列車はすべて通過してしまう変わった駅だ。備中神代駅で伯備線から離れ、芸備線は山中へと入っていく。
今朝ほど乗った因美線に負けずこちらもかなりな秘境感があふれている。日に数本しか走らず、この次は16時まで待たねばならない。
50kmの距離を1時間20分かけて備後落合に到着。芸備線は広島まで続いているが、新見発はここから先には行かない。
備後落合駅は山奥にあり、駅の周辺には何もなく山々がそびえるばかりだ。だが、この時間だけは人口密度が急に上がる。芸備線の上り下りと木次線の列車が一堂に会す瞬間なのだ。それぞれに乗り換える客とそれを見に来る物好き人とで静かな駅は一転賑やかになる。
備後落合
それもつかの間、それぞれから来た列車は休息をとるのもそこそこに元来た路線に行儀良く引き返して行ってしまう。
私は14時25分発の木次線に乗る。木次線は中国山地から日本海側へと降りていく路線だ。これまたかなりな閑散路線で、備後落合発は日に3本。終点の宍道駅まで行くのは夕方の1本のみ。
末期的ダイヤだが、見所がある。備後落合から3駅目の出雲坂根は全国でも僅かとなったスイッチバックのある駅だ。現在の土木技術ではトンネルと高架橋で線路を敷いて行くのであろうが、木次線は開業当時のまま、地形をトレースするように右へ左へ向きを変えながら中国山地を抜けて行く。
スイッチバックを造ってでも線路を繋ごうとした先人達の思いはこのまま伝えていってほしいものだ。
JR西日本最高度を走るディーゼルカーからは道路の橋であるおろちループ橋が見える。高いところを走っている事が実感できる景色だ。
おろちループ

この列車は出雲横田止まり。時刻表によると宍道行きとは40分ほどの待ち合わせがあるが、なんのことはないこの車両がそのまま行くそうだ。
ここで降りる人も乗ってくる人もなく出発。待ち合わせ時間を含めて82kmを3時間もかけて宍道駅に17時36分到着。
山陰本線に乗り換えて18時46分に米子へ戻ってきた。
ただひたすらに乗り続けた1日であった。
終わり

因美線〜津山線〜伯備線2010年10月16日 22:44

これしかないと言うようなタイミングでの乗り継ぎ。実際、因美線で津山まで行こうと思うと12時51分まで待たねばならない。これしかない。
地元の方と見受ける数人と、鉄臭を発散させた人数人を乗せて定刻8時21分に動き出す。ここから先しばらく1キロ進んで20メートル上るという勾配を登っていく。山間部に入っていくと両側から延びた小枝が車体にカラカラと当たる。まさに分け入っていると言う感じだ。よくもまあこんな所に鉄道をと感心しきり。
山中でほとんど止まりそうな速度になった。どうしたかと外を注視していると、制限速度30kmの標識が出ていた。しかも雨天は15km。今日は雨は降っていないが昨夜に降ったせいか15km制限になっているようだ。それほど険しいところを走っている。
長いトンネルをゆっくりと抜けると岡山県に入る。地元の方々は一人二人と減っていき、車内は益々鉄分が濃くなる。
知和駅
岡山側は坂を下っていくが速度はさほど上がらないまま、味わい深い木造駅のある駅に一つずつ停まっていく。「知和駅」は秘境駅と呼ばれているが。以前に車で訪れた時にはさほど秘境感はなかったんだが、こうして路線を辿ってくるとまさに秘境を行く鉄道と言っても良い。
津山
約1時間で津山に到着。津山駅は岡山県内でも主要な駅で、姫新線、津山線、因美線が乗り入れている。ここもかつては各方面への長編成急行などが行き交っていたが、いまは只、不釣り合いに長大なホームがその名残を残すのみ。奥の方には珍しい扇形車庫が見える。
しかし、これから乗る津山線ホームには多くの人が到着を待っている。今日初めて多人数を見た。さすが岡山へ行く需要はかなりなものである。遊びに行くと思われる若者も多い。会話の端々に新幹線の乗り継ぎの話題が聞こえてくるのは旅行者であろうか。
ホームに入ってきた列車は津山停まりで、折り返し9時49分発岡山行きになる。そこそこ満席になるので、通勤電車のごとくロングシートに座る。なんとなく旅情感は薄れ、車速も因美線とは比べものにならない速さで岡山へと向かう。時刻表によるとこれは「快速ことぶき」と表してある。岡山まで満席のまま10時59分着。
岡山駅はさすが新幹線も止まる駅で、駅ビルにはデパートも併設されていて賑わいは都会並み。山の中からとことこ列車で来たのがうそのようである。
11時14分の伯備線新見行きに乗る。伯備線は倉敷が起点であるが、倉敷始発はない。伯備線は乗り慣れた路線なので特に珍しさも無い。本日2番目に長い区間を乗るがほとんど寝ていた。
12時43分新見着。4分の待ち合わせで12時47分発の芸備線三次行きに乗れる。ここからまた秘境に突入だ。